- 2015年12月26日~2016年1月3日
WUDC2013 in Berlinに続いて2度目のワールズ出場。2014年12月26日の早朝に福岡を出発。前日は、研究室の忘年会から二次会で飲み続け、一睡もせずに空港へ行ったため、機内では爆睡。成田を経由して、クアラルンプール国際空港へ。駅から宿までの道で早速迷い、やばそうなエリアに入り込んでしまうハプニング。とりあえずタクシーで宿まで向かおうとするも、3分程度の距離で20RM(相場は5~10RM ※1RMは約30円)をぼったくられる、という前途多難な展開で旅が幕を開けました。
27日は、マレーシアを観光。独立広場、国立モスク、クアラルンプール図書館、ツインタワー、KLタワーなど主な観光名所を一気に巡る。食事が辛すぎて早速腹痛。
28日、大会期間中の宿泊先であるホテルでRegistration。日本から参加しているディベーター数人と遭遇。マックで昼ごはんを食べたところ、チーズバーガーセットが6RM(約200円)で物価の安さに驚く。夜はOpening Ceremony。次の日に備えて早めに就寝。
29日から大会開始。朝6時に起きて朝ご飯を食べ、バスで1時間ほどかけて会場となるUT Maraへ。しかし、Registrationカウンターには長蛇の列ができ、開始時間になっても到着していないディベーター、ジャッジがいる、ということで、開始早々2時間半の遅延。昼前にようやくラウンド開始。
R1 This House regrets the decline of tightly integrated families. CG 4位
OGに津田塾がいたので、ここには勝ちたい!と思いつつプレパ開始。Integrated familyだから、三世代家族がいいってモーションだよねーって話をプレパで詰めていたら、OGがintegrated family=family which has less divorceというまさかの定義をしてきてパニックになる。結局CGからnewな話を出せず、AustraliaのチームがいたCOにもマターの質で勝てず、4位に終わる。ジャッジからは、もっとOpp. Sideにengageして、自分たちのモデルの優位性を示さないと上位は狙えない、と的確なアドバイスをいただく。
R2 This house believes that environmental movements should support climate engineering that fundamentally alters the environment, in an attempt to combat Global Warming. CO 4位
Info slideでclimate engineeringについて想像を膨らませ、Opp.としては、こんなのを使っても結局は環境良くならないから、環境を良くすることを目的とするenvironmental movementsはOpposeすべき!って感じでプレパ。OOがenvironmental movementsにuniqueな話を全くしていなかったため、COで、なんでenvironmental movementsがこれにOpposeすべきなのか、という話をごり押ししたところ、まさかの4位。ジャッジからはもっとnewな話を出さないと、そんなにenvironmental movementsの重要性をごり押しされてもあんまり強くとれない、と言われへこむ。
R3 This House believes that in areas of socio-economic deprivation, schools should train students in vocational skills to the exclusion of the Liberal Arts. OO 2位
今大会初のOpening half。Liberal artsの重要性がプレパでいまいち思い浮かばなかったため、long term benefitsとか、area of socio-economic deprivationこそliberal arts大事!って話をしたところ、vocational skillsのpractical benefitを綺麗に説明仕切ったCGに次いで2位を獲得。ジャッジが以前慶応に留学していたタイ人だったため、いろいろ話を聞きながらフィードバックをもらう。
1日目は2点という結果だったが、サブマリン戦法で2日目以降に点を稼ぎまくれば大丈夫!ということでホテルに戻ってすぐに就寝。
30日、大会2日目。相変わらずの遅延で、2時間遅れてディベート開始。
R4 This House would prohibit the media from reporting on the mental illness of those accused of crimes. OG 3位
OOに上智、JudgeにBen Adams(WUDC 2014のGrand Finalist)がいてびっくり。Mediaは影響力が大きくて、人々がmental illnessをgeneralizeしてしまう、という話と、harm to other mental illness patientsを出す。Mediaがなぜ悪い影響を及ぼしてしまうか、という分析をしてGovernment winを決定付けたCGが1位、OOが2位。ジャッジからは、Mediaについての分析がOGから出ていれば1位だった、という話をいただき、悔しい思いをする。
R5 This House believes that the international community should cut off internet access in Syria. CG 4位
懸念していたInternational Relationsのモーションがついに出てくる。Syriaについては若干知識があったものの、なぜinternet?となり、プレパで超焦る。ISの話かな?と思うも、Internetを切ることでISに与える打撃があまり浮かばない。Opening halfは、Syria国内の事情について話しており、CGの自分たちもそれに乗っかってnewな話をしようとするも、深い分析を出すことができず4位。ジャッジからは、「いや、普通に考えてISがMain issueだろ!」というコメントをいただく。
R6 This House believes that developing countries should adopt economic development policies that heavily disincentivise urbanization. OG 2位
都市化?あー確かにマレーシアは都市化してるねー、シンガポールも。んで、なんでそれがダメなの?と考えてるうちにプレパ時間が過ぎていく。とりあえず思いついた話であるスラム街ができる、とかインフラ足りなくなる、とか地方が衰退していく、とかありきたりな話をOGから出す。まずは都市化でrichな国家になって、それから地方に還元すればいいし、そもそも都市化しないと国家全体が発展しない、というような話をしていたCOが1位でそれに次いで2位。ジャッジから非常に丁寧なフィードバックをいただき、満足して2日目終了。
2日目を終えて5 点という予想以下の結果になったが、3日目に全力を尽くすことにして、就寝。
3日目は1時間半の遅延でディベート開始。もはや1時間半の遅延ぐらいだと早いと思うようになってきたので、慣れってすごいなーと感じる。この日は全てClose Round(勝ち負けがすぐには発表されない)なので、最後まで順位はわからなかった。
R7 This House would ban the research and production of moral enhancement drugs. OO 4位
Info slideで、moral enhancement drugs=個人の暴力的な行動や倫理感を化学的に変えることができる薬、という説明がある。OOとして、これを使ってでもレイプなどでvictimを出さないことが大事!という説明と、使うか使わないかは個人のchoiceだから、banはすべきじゃない、ということをスピーチして、1位か2位、悪くても3位という感触だったので、4位という結果に驚愕。
R8 This House believes that the United States and the European Union should seek to promote peace by heavily subsidising Israeli businesses who invest in the Palestinian territories. CO 4位
はいきた、意味不明モーション、というのが第一印象。Israeli businessesなんぞや、subsidisingなぜ?という感じで完全に???の状態。COだったので、Openingの話を伸ばそう、という戦略をとったところ、例のごとくnewな分析ができず、4位に沈む。
R9 This House, as a medical professional employed by the United States military or security services, would, and would encourage others, to refuse orders to provide medical treatment to individuals undergoing “Enhanced Interrogation Techniques”. OG 4位
最終ラウンドということで、気合をいれて臨んだところ、またもや難しいモーション。しかもOGで、モーションの意味を取り間違えるというハプニング。OGでラウンドを混乱させて最終ラウンドを終える。納得の4位。
その日の夜に予選を突破したジャッジ、ディベーターを発表するBreak Nightに参加。日本と時差が1時間あったので、現地時間23時に日本からのディベーター同士でHappy New Year!!と言い合う。1時間後、2013年に続き、2度目の海外での年越しを迎える。
1日は大会が休みだったので、観光へ。ツインタワーに登ったり、セントラルマーケットを巡ったりと、マレーシアを満喫する。
2日はOpen Pre-Octo/Octo/Quarter Final、ESL Quarter/Semi Final、EFL Semi Finalが行われる。試合を見つつ、マレーシアのお土産を買いに、クアラルンプール市内に出かける。
3日、午前中にOpen Semi Finalが行われる。僕たちが見た試合のOGはHarvard A。モーションは、This House Believes that all states should create special economic zones in cities, where all economic activities (except the purchase of goods and services) are carried out by women. 最初にスピーチをしたのが、WSDC 2013 Champion and Best Speakerというとんでもない経歴ディベーター。Mr. Speaker, Ladies and Gentlemen. Make no mistake in this debate. We live in the segregated state unlike Apartheid South Africa. The majority of the world has men and women living together , eating together, and walking on the same sides.というイントロで始まるスピーチは感動的でレベルの差を感じるとともに、この人なら世界を変えてくれそう、という感情さえ抱く。午後は、EFL、ESL、Open Grand Final。どれもすごいディベートで世界とのレベルの差に圧倒される。その後、表彰式。EFLはAdam Mickiewicz A(Poland)、ESLはChinese University of Hong Kong A(Hong Kong)、OpenはSydney A(Australia)が優勝。閉会式には、マレーアシアの教育大臣も出席し、マレーシアでのディベートへの関心の高さが伺えました。
4日、朝から大会期間中にお世話になったホテルを後にし、バスでマラッカへ。4日はマラッカを観光。5〜7日はシンガポールを観光し、7日未明の飛行機で帰路につきました。
今回のワールズを通して、世界にはすごいディベーターがいる、ということを肌で感じると共に、単純に世界中のディベーターと9ラウンドも試合をすることができて、貴重な体験をすることができました。
ペアを組んで出場してくれた井上陽平君、出発の日の早朝から激励に来てくれた後輩たち、そして本大会への出場にあたり支援をしてくださった九州大学言語文化研究院井上奈良彦先生に感謝を申し上げたいと思います。
上土井 宏太