展示会「中国の芝居番付〈戯単〉――戦前の日本人学者が見た中国の名優と名舞台」

展示会「中国の芝居番付〈戯単〉――戦前の日本人学者が見た中国の名優と名舞台」

このたび九州大学附属図書館では、8月26日(月)~30日(金)、展示会「中国の芝居番付〈戯単〉――戦前の日本人学者が見た中国の名優と名舞台」を開催することとなりました。「戯単、劇場と20世紀前半の東アジア演劇」学術シンポジウム(8月27~29日)にあわせた企画です。

九州大学附属図書館には、濱一衛・元教授が1930年代の北京留学で収集した中国演劇資料が濱文庫として保存されています。なかでも、200枚近い中国の芝居番付〈戯単〉は日本で最大のコレクションです。今回はこれに加えて、名古屋大学、慶應義塾大学、早稲田大学演劇博物館からもご出品いただきました。日本国内に所蔵される中国の〈戯単〉を一堂に会し、専門家だけでなく、一般市民向けに公開する展示会は、国内初、おそらく世界的にもきわめて珍しい企画といえるでしょう。

今回の展示は、サブタイトルに掲げたように、「戦前の日本人学者が見た中国の名優と名舞台」をテーマとしております。戦前の中国に留学した青木正児(1887~1964、京都大学教授)、奥野信太郎(1899~1968、慶應義塾大学教授)、濱一衛(1909~1984、九州大学教授)といった学者たちは、中国の演劇を熱心に鑑賞し、芝居番付〈戯単〉を持ち帰り、大切に保存しました。これらの〈戯単〉は、たいていはお芝居が終わるとともに打ち捨てられるもので、展示品のほとんどが世界に1枚しか現存しないものです。そのため、〈戯単〉は当時の演劇を研究する貴重な資料であるだけでなく、コレクターにとっては垂涎の稀少価値を有しています。

本展示会では、これまでの研究成果をふまえて、〈戯単〉から読み取れることをわかりやすく解説するように心がけました。1枚1枚の戯単から、梅蘭芳をはじめとする往時の名優たち、そしてまた華やかな舞台と京劇や崑曲の魅力を想像していただければ幸いです。

最後になりましたが、貴重な〈戯単〉の現物あるいはパネル写真の出品にご協力いただきました各所蔵機関に深く感謝申し上げます。あわせて展示の解説をご担当いただいた専門家の先生方にもお礼申し上げます。

 

2019年7月

 

九州大学附属図書館・館長 宮本一夫

九州大学言語文化研究院・教授 中里見敬

 

出品協力: 名古屋大学附属図書館青木文庫、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

慶應義塾大学三田メディアセンター、同文学部中国文学研究室

解説担当: 田村容子、中里見敬(はじめに)、中塚亮、中里見敬(第一部)、中里見敬、波多野眞矢、森平崇文、中塚亮、大野陽介(第二部)、波多野眞矢(第三部)、鈴木直子(第四部)

本展示会は、以下の研究プロジェクトによる研究成果を一般向けに公開するものです。

  • 科学研究費・基盤研究(B)「濱文庫所蔵戯単・レコードのデータベース化と保存法の改善」(2016~2020年度、代表:中里見敬)
  • 演劇博物館演劇映像学連携研究拠点平成29年度公募研究「中華民国期の伝統演劇資料から見る劇場と劇種に関する研究」(代表:鈴木直子)

 

梅蘭芳の「俊襲人」

梅蘭芳の「洛神」

程硯秋の「梅妃」

楊小樓の「甘寧百騎刼魏營」

馬連良の「借東風」

写真はいずれも中丸均卿・濱一衛著『北平的中国戯』(東京:秋豊園, 1936)より

 

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