2019年度サイエンスアゴラにおいて、注目企画に選ばれました。(開催報告のリンクを追加しました)

 

 

2019年度サイエンスアゴラ(11月15日―17日、東京・お台場地区:国立研究開発法人科学技術振興機構主催)において、網野薫菊・言語文化研究院共同研究者によるワークショップ『AIと人間の違いってなんだろう? ―個人背景・主観・カテゴリー付けより』が注目企画に選ばれました。

サイエンスアゴラは「あらゆる人に開かれた科学と社会をつなぐ広場」として多様な関係者が対話・協働を促進する場であり、本企画では、社会科学(言語学・社会心理学)・自然科学(人工知能・情報学)それぞれの立場から「コンテクスト」「フレーム問題」の2点についてパースペクティヴを提供することでこの問いを解決する糸口を提供しようとするものです。

 

<ワークショップ内容>

AIと人間それぞれに何ができて何ができないのかというのは昨今よく話題にされるテーマであり、北欧で導入済の「ベーシックインカム」をはじめ、これからの社会の仕組みを考える上で、AIと人間それぞれに得意なことを任せるというのは重要テーマとなります。また人間に近いAIの開発に先駆けては、「人間とは一体何なのか」という問いが前提として必要です。人間とAIの根本的な違いとして脳科学では「クオリア」-言語学では「コンテクスト」-と呼ばれる人間のもつ五感・知覚・主観などの個人的意見の源についてアクティビティをはさみながら議論を行うことで、AIと人間における情報の質(エティック/イーミック)を問います。

また一般に決まった手順を素早く正確に行うこと(特定のパターン付け下の最適化)はAIの得意な分野とされていますが、「何を・何のために・どうやって」行うかについてもAIも決定することはできるのでしょうか。この「フレーム問題」はしいては、AIをベースとする統計や数は証拠(エビデンス)となりえるかとも関係してきます。

人間のもつ「個人的背景・経験」を外付け搭載した新たな汎用AIとその応用を概観することで、人間とAIの共存・共栄を考えてみましょう。

その他にも下記テーマを取り扱う予定です。

〇言語学における「コンテクスト」と脳科学における「クオリア」の共通性

〇AIは「スタンス」「モダリティ」「辞」などの主観を持つことができるのか

〇スキーマと関わるイーミック/エティックな情報と「ゆらぎ」について

〇レコメンデーションシステムに挙げられる主観や意思への否定と社会構造論

 

 

本企画開催ページ:https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/program/booth/8c04/

サイエンスアゴラ開催プログラム:https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/program/

私設HP:http://www.qualiacontext.com

 

問い合わせ:網野薫菊 (言語文化研究院 共同研究者)

 

 

2020年2月27日追記
開催報告は以下のリンクからご覧いただけます。
(1)AIと人間
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/program/booth/8c04/
(2)UXと人類学
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/program/booth/8d01/
(3)認知症ケアと対話システム
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/program/booth/8c05/

 

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